「はつ恋」の原典を読む

【曲名】はつ恋

【原典】初恋

【書籍】初恋 (光文社古典新訳文庫) トゥルゲーネフ (著), 沼野 恭子 (翻訳)

【読了時間】3時間程度

【読みやすさ】★★★★

【感想】

 ホワイトデーイベント公演楽曲「はつ恋」の原典「初恋」を読みました。順番としては「Purple Dawn」と「仮面は闇に溶けて」が先なのですが、「Purple Dawn」は、ゲーム内で原点に関する言及がほとんどなく何を読んで良いか分からなかったため、また「仮面は闇に溶けて」はオペラが原典のため、書籍で読める丁度良いものがなかったため、一旦見送りました。

 原典「初恋」は、題名のとおり、ある男性の若かりし頃の初恋を回想する話となっています。恋する主人公の激しく揺れ動く心情が詳細に描写されている点が印象的な物語です。ページ数が少なく展開も早いので読みやすかったです。

 

※※※以下、ネタバレ注意※※※

※※※ゲーム内ストーリー及び原典のネタバレを含みます※※※

 

【ブラスタにおける配役】

リンドウ 医者(ルーシン)

イカ  マレイフスキー伯爵

メノウ  ピョートル(ウラジミールの兄 ※原典ではウラジミールの父)

真珠   ウラジミール

夜光   ジナイーダの従僕

客    ジナイーダ  

 

【ゲームと原典を踏まえた感想】

 楽曲「はつ恋」が爽やかな曲調のため、原典もザ・青春な恋愛物語を想像してしまいそうですが、実際は複雑なドロドロとした内容となっています。メノウのカードストーリーで分かりますが、原典では、主人公ウラジミールが恋する女性ジナイーダの好きな相手は、ウラジミールの父であり、不倫関係にあることが明らかになります。この衝撃的な内容がスターレスでの公演では、父は兄に置き換わり、兄からジナイーダへの好意はなく不倫関係もないという内容に改変されています。この変更は、公演が楽曲「はつ恋」の雰囲気により近くなっているとともに、ホワイトデーイベント公演らしい内容になっていると感じました。

 また、ゲームストーリー内でも言われていますが、真珠にウラジミール役はピッタリだと思いました。真珠は、ウラジミールの恋心を理解するのに思い悩みますが、この悩む様子がジナイーダに翻弄され気持ちが激しく揺れ動くウラジミールっぽさを感じましたし、ウラジミールの愛する人に振り向いてもらえなくてもずっと愛し続けるという一途で真っ直ぐな心情には真珠っぽさを感じました。

 ブラスタの楽曲はチームや曲調によらず何でも好きですが、たまに出てくるチームPのちょっと切なさがありながらも爽やかな曲はだいたい好きです。